その新入社員は指導役の社員に対しても、どんどん改善点や、非効率と感じた部分を積極的に意見するタイプだ。それを周りで聞いているベテラン社員は自分たちの仕事運びを新人に否定されたと感じたらしい。
そうした点をやんわり注意したところ、「私は仕事は割り切ってやるほうなので、何を言われてもあまり気にしないようにしています。」と涼しい顔。自分からすすんで新しい組織のカルチャ-に合わせようとする気がない。
中途採用の読み違いは採用者のパ-ソナリティと受け入れ側の度量に及んだ。面接では仕事のスキルは十分と判断したものの、言葉使いや仕事に対する考え方などもっと慎重にことを運ぶべきだったと反省点もある。
同時に自分たちの組織において、新戦力を迎え入れる際の子供じみた拒否反応が起きる点への用心深さが足りなかったとも言える。
結局、試用期間いっぱいまで新入社員を引っ張ることもできず、当初の予定配属先から外す決断をせざるを得なかった。
(職場の化学反応 ③ へつづく)