総務部で働きたい人のためのブログ

総務の仕事とは。総務の役割とは。総務の仕事について現役総務部長が思うところを本音でつづる。総務部はなんでも屋ではない。「困ったら総務部、面倒なことは総務部」なんてナンセンス。総務の仕事をロジカルにこなしてこそ仕事も充実する。縁の下の力持ちとしての総務を語る。

採用決定権者の関門

 

当社では採用部門で一通りの選抜で振るいにかけ人事部面接、配属部署の関係者面接を経て社長面談で採用決定というステップを踏んでいる。

総務部門の欠員補充のための求人のときのこと。書類選考、面接をクリアし、キャリア面でも申し分の無い女性を関連部署の女性陣に面接してもらった。転職歴も2回目と少なく、頭の回転、ストレス耐性、専門スキルと間違いなく現有戦力の中でも「優」がつくであろう人物に私は社長に対し採用を即座に薦めた。

そうした中で、候補者を面談した女性管理職の回答は「これというモノがない。」のたった一言であった。実は人員補充で一番難儀なのが、既存社員との相性なのである。

要は自分の使いやすい駒となる性格かどうかを見るから始末が悪い。スキル的にも部門リ-ダ-と被るか上を行くだろう存在は拒否の対象となる。

人事部としては、事務系部門では仕事をある程度握っている人物(部門責任者クラス)に万が一仕事を空けるような事態となっても対処できる体制を整えておく意味でデキル人物を配したい。それに既存社員が妙な警戒心を抱く姿は見たくはない光景だ。

結局、今回の採用は見送られた。面接担当からすれば、なんとしても欲しい人材であった。この件は当社の採用システム(関係部門者の面接・感触を尊重しすぎる悪しき流れ)に問題がある。このシステムの変更には相当の根回しが要る。採用段階を変更し、人事部門と合わせ他部門の上席者に人物本位の判定を依頼するスタイルを構築したいのだが、敵はなかなか手ごわい衆である。

「総務は何でも屋」ではない

 


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中小企業の総務部門では人事であったり経理であったり、大企業では独立した部門の仕事を一手に管轄する場合が少なくない。それだけ「何でも屋の総務」と言われる所以であろうか。

 

人事部門といえば採用活動が対外的な仕事になるので華やかなイメ-ジがあるが、実は人事考課、つまり社員の業務成績評価を行い、異動・昇進・昇格・昇給を戦略的に実施する、会社内部に対する重要な仕事を担っている。

 

人事評価の中でも、実は管理職の力量を計ることが難しい。単純な年功序列式にのっとり、ある年齢が来たら全体のバランスを考えながらそれなり役職を与えてしまいがちだ。


しかし中小企業となると同期が全くいない場合もあるし、その方が多いかもしれない。要するに競争原理が働かない組織内での昇進・昇格を総務人事部門が考えないといけないことになる。

管理職の要件としては、まずリ-ダッシップが無くては話にならない。部下を率いる者が、部下の顔色をうかがいながら「言うことを聞いてくれない」とさらに上の上司に愚痴をこぼすようでは勤まらない。最近ではそういう相談が私の耳に入ることが多くなった。

ある種の強制力を行使することに憶病な人材が増えてきているのではないか。仲良しクラブの代表格程度では「課長」を名乗る資格はないだろう。

営業であれば話は簡単だ。何より営業成績が1番であることだ。ボスザルになるには喧嘩(ここでは営業力)が一番強くなくてはいけない。事務系であれば業務の知識量で部下を圧倒する力が必要だ。人使いに長けることも求められる資質だろう。

同時に内部の人材の成長をさせる仕組みづくりが重要になる。私の会社では、決して安くないコストをかけても管理職研修会を外部コンサルに委託する取組みをはじめたところだ。

 

総務部門が社員サ-ビス担当部署のような「お人よし」で済む時代は終わっている。だからこそ総務で仕事にしたい貴方には貪欲な行動力を求めたいのである。