総務部で働きたい人のためのブログ

総務の仕事とは。総務の役割とは。総務の仕事について現役総務部長が思うところを本音でつづる。総務部はなんでも屋ではない。「困ったら総務部、面倒なことは総務部」なんてナンセンス。総務の仕事をロジカルにこなしてこそ仕事も充実する。縁の下の力持ちとしての総務を語る。

総務としての視点 費用対効果について ②

 

(つづき・・・)私はポケットから1枚の名刺を取り出し、その年配社員にたずねた。「この顧客情報の集約系である名刺に記された情報をあなたなら1枚当たり何分で入力できますか?」

 

名刺には会社名、個人名、住所、電話、FAX、ホ-ムペ-ジ、メ-ルアドレス、事業所・支店網などが書かれている。その社員は「3分くらい」と答えた。

 

わたしにはPCの入力スピ-ドがないレベルの社員ならゆうに5分はかかると感じていたが、所望の3分で話を進めることにした。

 

営業担当が1日5枚の名刺を持って帰るとする。営業マンは5名。1日25枚×3分=75分の人件費をかけて運用することになる。計算をしたすくするため、1日1時間としても60分×21日(出勤日数)×@1500円/H=31500円の運用コストがかかることになる。

 

毎日営業マンが帰社してからその日にもらった名刺の入力作業をするだろうか。おそらく営業事務の女性がこれに当たることになると想像した。

 

これが今回の名刺ソフト導入を複合機に連携させればスキャン1発、ものの3秒で完了するのである。(ここ1・2年の文字認識技術に驚かされるが・・・)

 

コスト比較なら月額で1700円:31500円。時間対効果なら、3秒:75分である。こうした説明を要するのも実はコストなのだ。総務部は「買い物屋」と後ろ指を刺されないためにも費用対効果と時間対効果については常に意識しておかないと足元をすくわれると思っていたほうがいい。

 

 

 

 

総務としての視点 費用対効果について ①

 

新しいものを購入しようとするとき、その製品の金額が妥当なものかどうか十分吟味・分析する必要がある。ことが大げさになれば、社内資料のひとつも作成して費用対効果分析をきちんと説明するスキルが総務には求められる。

営業が新規プロジェクトを立ち上げるとき、投資対効果、継続的コスト、見込み顧客リスト、投入人員などをあらかじめ精査し、プロジェクトに対する予算を確保するように、総務・経理部門もまた導入効果とランニングコスト管理をしっかり計画できる能力が求められる。

 わが社で、名刺管理ソフトを導入する話が若手営業マンから提案された。その営業マンは「顧客管理ソフトをもたない当社にあって、顧客情報のデ-タベ-ス化の必要性と有用性」を説いた。

複合機のスキャンで名刺20枚分の情報を文字認識で一気にパソコンに取り込み、外出先からでも顧客情報を閲覧できる便利さを主張した。ソフト代金はわずか月額1700円の商品だった。

その話が出たときに、ある年配社員が「そんなもの必要なのかね」「費用対効果に見合う投資なのかね?、使わないなら1700円でももったいないよ。」と声を上げた。

私は月額1700円のコストに「費用対効果」という単語を持ち出してきた感覚に少々違和感を覚えながら、その場で戸惑う表情をしていた若手に代わって年配社員に対し話をはじめた。(つづく・・・)