新しいものを購入しようとするとき、その製品の金額が妥当なものかどうか十分吟味・分析する必要がある。ことが大げさになれば、社内資料のひとつも作成して費用対効果分析をきちんと説明するスキルが総務には求められる。
営業が新規プロジェクトを立ち上げるとき、投資対効果、継続的コスト、見込み顧客リスト、投入人員などをあらかじめ精査し、プロジェクトに対する予算を確保するように、総務・経理部門もまた導入効果とランニングコスト管理をしっかり計画できる能力が求められる。
わが社で、名刺管理ソフトを導入する話が若手営業マンから提案された。その営業マンは「顧客管理ソフトをもたない当社にあって、顧客情報のデ-タベ-ス化の必要性と有用性」を説いた。
複合機のスキャンで名刺20枚分の情報を文字認識で一気にパソコンに取り込み、外出先からでも顧客情報を閲覧できる便利さを主張した。ソフト代金はわずか月額1700円の商品だった。
その話が出たときに、ある年配社員が「そんなもの必要なのかね」「費用対効果に見合う投資なのかね?、使わないなら1700円でももったいないよ。」と声を上げた。
私は月額1700円のコストに「費用対効果」という単語を持ち出してきた感覚に少々違和感を覚えながら、その場で戸惑う表情をしていた若手に代わって年配社員に対し話をはじめた。(つづく・・・)